萩の里での新型コロナクラスターについて

7月12日に、職員1名より新型コロナに感染したと報告がありました。

その職員は潜伏期間に勤務しており、そこからあっという間に感染が拡がって、入居者さん8名(内1名は疑い)、デイサービス利用者さん2名とそのご家族1名、職員12名が感染してしまいました。

この間、感染された方々はもちろん、デイサービスの休止や面会制限等で、皆様には大変なご心配をおかけしました。申し訳ありません。

入居者さんのコロナの症状自体は比較的軽く、1〜2日でお元気になられる方がほとんどでしたが、萩の里開設初期から入居され、僕が以前勤務していたグループホームから通算して約16年ほどお付き合いさせていただいた91歳の女性が、コロナ感染から尿路感染症を併発され、敗血症によりお亡くなりになりました。亡くなる前の夜まで食欲もありお元気そうにみえたので、快方に向かっていると思っていました。しかし、実際は悪い方向に進んでいたのを見抜けませんでした。

ご家族には経緯等を説明させていただき、優しい言葉をかけていただきましたが、あの時ああしていればと、タラレバですが、何か違う事が出来たのではないかと考えてしまいます。本当に残念で、申し訳ない気持ちです。

ご冥福をお祈り致します。

新型コロナは5類になりましたが、感染力には本当に驚きました。マスクやガウン、フェイスシールドに使い捨て手袋を使用し、グループホームで出来る限りの対策はしたつもりですが、職員がバタバタと感染し出勤できなくなりました。

また、出来る限りの対策と言ってもかなり限界があり、入居者さんの症状が軽く数日で軽快されたのは良かったのですが、病識が無いので居室に一人でいていただく事は難しく、病識のある方も「いやぁ、俺コロナだってよ」と感染していない方を訪ねて行くなど、職員がいない状況下では止める事は出来ませんでした。

萩の里は2ユニットあるので、感染した方々としていない方々を分けさせていただき、感染した方々のユニットは、ほぼ1人で対応するという状況で、残った数人の職員が感染していないユニットの対応と、食事準備等の後方支援を行っていました。この状況が10日以上続き、職員は疲弊しながらも頑張ってくれました。

そのような状況で、ご家族への途中経過報告が滞る等、更にご心配をおかけしたと思います。

萩の里ではこれまでも職員の感染は何度もありましたが、入居者さんに感染した事はありませんでした。コロナが一段落した今考えてみると、正直なところ一度ホーム内で感染してしまうと、拡大を防ぐのは不可能に近いと思いました。

それでも感染しない事を最優先にした対応を行うため、感染がリレー方式のように1日〜数日の時間差で伝播して、結果終息まで時間がかかりました。不謹慎な考えかもしれませんが、もしかしたら一度に感染した場合の方が終息が早く、ADLの低下も最小限で、尿路感染で亡くなる事もなかったのではないかとも考えてしまいます。

もちろん、高齢者はリスクが高いと言われているので、感染をくいとめる事は大切だとは思いますが、今後もあり得るクラスター発生の際に、何を優先するのか、考える時なのではないかと思っています。

萩の里のクラスターを聞きつけて、町内の療養型病院K事務長、特別養護老人ホームのI施設長、グループホームIのKさんより、感染防止用具、ポータブルトイレ、アイスクリームの差し入れをいただきました。またご家族の皆さん、居宅ケアマネさんや中標津町介護事業者団体の皆さん、fmはなの方々から、温かい励ましをいただきました。本当に力になりました!!ありがとうございました!!